集中力が途切れる意外な理由
意欲に燃えて目の前の仕事を処理しようと意気込んでも、そのやる気の持続力がなく、すぐに他のことに気が向いてしまうというケースはよくあります。「自宅に仕事を持ち帰っても集中できなかった」「カフェで作業しようと思ったら慣れない環境で気が散った」など、集中するということがいかに困難かが分かります。その原因の多くは、脳内を駆け巡る「雑念」です。「何か部屋が暑いな」「野球の試合はどうなっているだろう」などと、実際に言語化されていないレベルの雑念は無数にあるはずです。「環境のせい」にするのは簡単ですが、この湧き出てくる雑念をどう処理するかで集中力が決まります。
息を吐くようにしてメモに書き出す
雑念にとらわれて気が散る人は、その雑念を「アウトプットすること」をお勧めします。とにかく「集中できないな~」と少しでも感じたら、その雑念を紙に書き出すという方法です。これは後から読み返すために書くものではないため、きれいに清書する必要はありませんし、ノートに書く必要もありません。メモ用紙でもチラシの裏でも何でもよいのです。
大切なのは、「すぐに雑念を書き出すこと」で、流動的に移り変わる脳の思考をキャッチすることが目的です。今考えていることを紙に書き出すといっても、「瞬間の切り取り」にしか過ぎないため、そもそも思考というものは曖昧なのです。一度、「今この瞬間の思考」を紙に書き出してみると分かりますが、驚くほどの雑念が脳を占拠しているものです。
その雑念を一度、アウトプットすることで、「コレとコレは後でやれば済むこと」「今やるべきことではないな」と、頭がすっきりすることに気付くかと思います。
覚えていてもチェックリストを使うべき理由
また、集中力が途切れてしまう原因の一つとして、「慣れているはずが、手順を思い出すことが面倒」というものがあります。身体に染みついているレベルの作業であれば、チェックリストは必要ありませんが、「動画の編集」という作業であれば、「元素材となる動画ファイルをパソコンに取り込み、いつも使うソフトを立ち上げて、文字を挿入する際のフォントはこれで」といった具合に、取り掛かれば思い出すものの、暗記レベルで記憶していない場には、作業手順をチェックリスト化すれば、何も考えずに、手順に従うだけなので、迷いなく作業に集中できるはずです。