交渉の大前提は友好的に進むこと
ビジネスシーンにおいて、ミドル層となると避けては通れないのが「相手との交渉」です。「単価交渉」「契約交渉」など、様々な場面で交渉シーンは存在します。どんな交渉にでも、成功させるための共通ルールが存在します。それが、「敵対しないこと」です。確かに、思惑や主張が相反するもの同士の交渉であれば、友好的な関係を築き上げてスムーズに進むめることの方が珍しいかもしれません。果たしてそんなことが可能なのでしょうか。
相手に主導権を握ったつもりにさせる
通常、交渉では誰もが優位な立場を取りたいものです。そのために、主導権をいかに握るかがカギになります。しかし、強烈な主張や理論武装で会話の主導権を握ったとしても、相手からの警戒心や敵対心が緩和されなければ、どんなに理路整然と話を進めても、YESを得るのは難しいでしょう。最終的には「持ち帰って検討します」と、フェードアウトされればそこで終わりです。
むしろ、主導権は相手に「握ったつもり」にさせることが交渉のコツとされています。人間は、人に強制されることに強い抵抗心が生まれますが、「自ら考えた」選択に対しては肯定的になります。それをうまく利用するのです。
主導権を握った「つもり」にさせる方法
では、どうしたら「主導権を握ったつもり」にさせることができるのでしょうか。非常に簡単な方法があります。それは、相手に「つまり、どうすればよいでしょうか?」という質問をするだけです。質問という形で、相手の意向を仰いでいるかに見えますが、実は、相手はどんどんこちらの事情に沿った回答をする羽目になるのです。
例えばこちらが相手の要求を「飲まないことがゴール」である場合、先ほどの「つまり、どうすればよいでしょうか?」という質問を「予算がないと伝えたはずなのに」という前提ですれば、相手は「予算を作る方法」を提案するか、極端な値引きをするしかありません。この、繰り返される「どうすればいいでしょうか?」という質問は、最初は相手も「よし、こちらのペースにもっていける」と、勝機を見出すかもしれません。しかし、これに回答する度に、こちらの事情に対する提案をしなければならず、最終的には、こちらの条件を飲むしかありません。