「自分」は誰が作っているか
セルフイメージ、つまり「自分はどういう人間か」について、言葉で説明できるでしょうか。多くの人は、例えば「東京都に住んでいて、45歳で、銀行に勤めていて~」と、プロフィールを答えるでしょう。住んでいる住所や職業、年齢などはゆるぎない事実です。しかし、「どういう可能性を秘めた人間か」「どんな能力をもった人間か」という点についてはあまり触れられないケースが多いのではないでしょうか。
例えば、自分のことを「根暗で人見知りするやつ」と認識しているとしましょう。そう認識するのは何故でしょうか。「そりゃ、昔から自分はそういう人間だからだよ」という反論もあるでしょう。しかし、生まれたときは誰もが白紙の状態で、無限の可能性を秘めていたはずです。一体いつどのタイミングで「根暗で人見知り」と、「自分で思う様になった」のでしょうか。それは外ならぬ「周り」です。周りがそういうレッテルを貼ることで、自分は「そういう人間なのだ」とさらに深く認識し、それを繰り返した結果、「根暗な自分」という自我の様なものが生まれるのです。
科学的にも証明されている「思い込み」の効果
ここで注意したいのが、セルフイメージは、「作られるもの」ということです。イメージなので、当たり前のことと思うかもしれませんが、「作られる」という事は、「作り直すこともできる」ということを意味しています。「根暗な自分」というセルフイメージを、上書きするのでが、いわゆる「思い込み」の効果です。「単なる思い込み」という表現をされますが、実はこの「思い込み」はとてつもないパワーを秘めており、人間は思い込みによって自分の能力を発揮したり埋もれさせたりしていると言っても過言ではありません。
口ぐせがセルフイメージを書き換える
では、セルフイメージを書き換えるにはどうしたら良いでしょうか。人間の思考はすべて言語で構成されていると言われています。考え事をしているとき、何かしら「映像で物事を考える」という人もいるかも知れませんが、「AだからB」というような論理的思考は言語を伴います。セルフイメージを、自分の望むものに書き換えたければ、「自分の様に社交的な人間は~」「ついつい俺って出しゃばる癖があるけど」などと、「口癖」を変えることが最も効果的です。