上司の指示は8割伝わっていない

「部下がいうことを聞かない」「指示した仕事をいつも忘れる」など、部下についての悩みがないビジネスマンなどいないのではないでしょうか。依頼した仕事を確実に完遂してくれる部下は優秀です。しかしそれは「指示内容を100%受け取れている」という大前提があります。仕事で意図していない結果を出したとき、多くの上司は、「使えない部下」というレッテルを貼りがちですが、部下のせいにしても出世できるのはせいせい係長止まりです。管理職として出世するには、いかに部下を使いこなすかがカギとなるため、上司として「100%伝わる指示」を心がけたいものです。ここでは、「意図通りに部下が動く」指示のコツを紹介します。
命令なのか雑談なのかをハッキリさせる

よく、「昨日言ったアレ、やっといてくれた?」「え?アレって、あっやっていません」といった上司部下の会話があります。単に部下が忘れているだけでしょうか。もちろんそのケースも多くありますが、意外とクローズアップされないのが「部下が指示だと認識していなかった」「後日催促されて初めて指示だと分かった」というケースです。よく上司に怒られる若手ビジネスマンからの悩みを聞くと、こうした例が少なくありません。これは、コミュニケーションを円滑にするために上司としても雑談の流れに指示を組み込んでいる際に起こります。
これを防ぐ方法はいたってシンプルです。単に「今から指示を出す」と宣言することです。指示なのか雑談なのか分かりにくいと言われがちな上司ほど、これを取り入れることでかなり指示が明確になります。
一番ダメなのは、「Aの在庫リストって誰か作ってる?」と、(ないならお前が作れよ)という意味を含て言い放ち、部下が「そういえば、ありませんね」と答えます。その時、「在庫リストがないこと」そのものに話題がフォーカスされているため、気の利く部下でなければ「指示待ち」状態のままです。
指示内容に反論されたままにしない

よく、指示した際、「それってAさんが作ってましたよ」「それってやる意味あるんですか?」などと、反論や指示に対して否定的な発言をする部下がいますが、言葉に窮して、部下の反論で会話を終わらせてしまっているという最悪なケースをみかけます。
反論は意見として受け止め、「だけどこれは命令」「指示だからやりなさい」と、毅然とした態度で対応しなければ、指示を無視する口実を与え続けてしまいます。