まずは結論ありき
ロジカルな思考を身につける第一歩は、まず結論を先に明確にする癖をつけることです。プレゼンや、上司への報告等、ビジネスシーンではとにか常に「結論」が求められますが、日本では、欧米と違い、論理的な思考で仕事を進める習慣が根付いていないため、何を主張したいのかが曖昧な発言がまかり通っています。もちろん、プライベートでの会話であればそれもよいでしょう。
しかし、業務の効率化や、迅速な決断が求められるこの時代では、漫然と何かを訴えるだけでは、どんな意見も通りません。意見が通らないどころか、主語と述語がはっきりしないビジネスマンは今後ますます淘汰されていくでしょう。論理的な主張や思考が苦手な人は、とにかく「要するに何が言いたいのか」ということを意識してみることからはじめてみましょう。例えば、「担当している部下に問題がある」ことを上司に伝えるとき、ただ漠然とその旨を伝えるのではなく、「で、どうしたいのか」という結論を用意したうえで話をもっていくべきです。解決策が正解でなくても、日ごろから自分なりの結論をもつ癖をつけることが、ロジカルシンキングの第一歩です。
図解する癖をつける
結論を明確にする要領が分かれば、次は「図解思考」が役に立ちます。仕事上での問題解決には、図解することから始めて全体像を把握することも重要です。例えば、業務手順を改善しなければならないとき、上から順にフローチャート図で分かりやすくすれば、「作業ミスが頻発するのはチャート上でも後半の段階だから、作業員のレベルを上げる教育コストと比較すると、外部へ委託した方が良いな」などと、解決のヒントが見出せます。
物事に対して疑問を常にもつ
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また、常日頃から物事に対して疑問をもつことも論理的な思考を身につける上で大切です。ニュースなどを見て「なぜこの様な事件が起こるんだろう」と考えたり、通勤途中に見る飲食店が朝から繁盛している光景を見て「こんな朝から繁盛しているなんて、客層はどんな人たちだろう」「平日の朝から来店するということは高齢者か主婦層に人気なのだろうか」などと考えるうちに、「~だから、こうだ」という様に、全ての物事に対して、簡単に根拠を見出せるようになります。重要なのは、それが正解であるかどうかよりも、「根拠を求める思考」で、それが論理的な思考の支えとなるのです。