逃げられない「究極の忙しさ」が超人的な仕事処理能力を生み出す
昔から「仕事は忙しい人に頼め」という考え方がありますが、これは、「忙しい人ほど仕事が早い」ことから由来しています。では、なぜ忙しい人は仕事が早く、暇そうな人は仕事が遅いのでしょうか。
理由はシンプルで、例えば、1日のうち、10分で終わる様な量の仕事しか抱えていない人は、その仕事を1日かけて終わらせようとします。むしろ、10分で終わるレベルなので、一見もっともらしい他の「無駄な作業」を「忙しい忙しい」と言いながらこなすのです。にわかに信じがたい話かもしれませんが、一部の公務員などに多く見られる傾向です。この様な人に仕事を振っても、時間配分に関する感覚がマヒしてしまっているため、パフォーマンスは低かったりします。
逆に、「いくつもの仕事を抱えていて忙しそうな人」はどうでしょうか。いくつも仕事を抱えている人は、それを処理するスピードも必然的に早くなるため、頼んだ仕事は結果的に早く完遂させます。この様な人は、「このままでは終わらない」という危機感によって、パフォーマンスとスピードを「改善せざるを得なかった」可能性があります。
現在、「他の人が10日かかる仕事を2日で完了させる」といった仕事が早い人の多くが、過去に「絶望的な量の仕事から逃げられない状況」を経験しています。そして、その状況を打破するために、そこで初めて本格的な「仕事の効率化」を求めていくのでしょう。
タスクトレイは常に空にしておく
仕事を早く処理する最大のコツは、「すぐに処理する」「溜めない」です。例えば15分もあれば終わる仕事が発生したとします。これに対して「緊急性がないからあとで」と溜め込んでいくと、時間が経てば「緊急の仕事」へ変わります。しかも「すぐ終わる量」とたかをくくっていたため、次に降ってきた15分程度の仕事も後回しにしてしまい、気付けば膨大な量になっているというケースはよくあります。
そして、人に振れる作業は人に振ることです。管理職であるにもかかわらず「部下にやらせればよい作業を自ら行っている」という悪い例はいたるところで見かけます。「残り作業を0」にするのは難しいかもしれませんが、「取りあえず今やることはない」というレベルまでタスクを空にすることは十分可能です。