部下のマネジメントに悩む管理職の勘違い
特に指導をしなくても、与えられたミッションを遂行するため全力で働き、問題が起これば自己解決し、報告は要点をまとめて適度に上がってくるという、そんな都合のよい部下がいたら、誰でも苦労はしませんし、そもそも上司は必要ないのかもしれません。しかし、現実的には、「一人前に育つまで時間がかかる」「チームメンバーとの連携がうまくいかない」「トラブルを起こす」「そもそも指示に対していうことを聞かない」といった部下に頭を悩まされる上司の方が多いのではないでしょうか。
部下のマネジメントに関する話題となると、「最近の若者に合ったマネジメント方法」「やる気を引き出すためのセリフ」などと、やたらと部下に歩み寄った内容が目立ちます。最近では個人主義を尊重する風潮もあってか、一見して「部下に媚びる」「甘やかす」といった誤解をして辟易としている管理職も多いのではないでしょうか。重要なのは、好かれるのではなく、信頼されることです。
しかし、部下のマネジメントにおいて、信頼されるということは、決して「媚びること」ではありません。では、具体的にどんなことに気を付ければ、部下から信頼されるのでしょうか。
部下への指示したことを覚えておく
最も簡単に部下からの信頼を得る方法があります。それは、「指示した内容を覚えておく」ことです。上司としては、軽い気持ちで指示した内容も、部下にとっては「重要ミッション」です。「例の件終わりました!」と報告されたときに素っ気ないレスポンスだと、「あ、この人絶対指示したこと忘れてる」と、信頼を失います。指示したことを頻繁に忘れる上司は、そのうち「さして重要でもない仕事を何も考えずに与えてくる上司」というレッテルを貼られます。
必ず約束は守る
これは、前述の「指示を覚えておく」ことにも繋がりますが、部下とのちょっとした約束を忘れる上司は多くいます。例えば「その企画案はどこかで活用するから」「今ノルールが改善されるように、上に掛け合っておくよ」など、軽い気持ちで放ったセリフを、部下はしっかりと覚えているものです。すっかり忘れてしまった頃に「あの件、どうなりましたか?」と聞かれて、「何だっけ?ああ、あの件ね」と歯切れの悪い返答をした時点で、部下は二度と上司に期待をしません。問題は要望に応えられたかどうかではなく、「ダメならダメでハッキリと結論がほしい」ということです。