ストレスがストレスを呼ぶ

精神的なダメージだけではなく、体にも悪影響を及ぼすのが、ストレスの恐ろしい点です。 精神を病む深刻な状況に陥る前に、ストレスをコントロールする方法を日ごろから身につけておきたいものです。人間はストレスにさらされると、新たなストレスに対応する能力やセルフコントロール能力までも低下してしまうため、ストレスがストレスを呼ぶという悪循環に陥ります。ここでは、そうならないためにストレスをうまくコントロールする方法を紹介します。
嫌な気持ちをすぐに忘れる

ストレスは、その場で発生するものだけではありません。過去に「傷つくことを言われた」「侮辱された」などの、恨みや憎しみを含むマイナス感情を思い出すことも、立派なストレスです。本来、ストレスは、目の前の危機に対応するために交感神経が優位になるという、人間に備わった生存本能の一種ですが、過去の記憶に対して毎回ストレス感情を呼び起こしていては、体に対して非常に悪い影響を与えます。そのため、過去の出来事に対してアレコレと悩むことは身体に悪いということを自覚し、目の前の出来事に集中する習慣を身につけましょう。
断る勇気をもつ

ストレスを抱えている人は、嫌なこと、気が進まないことでも断れずにYESと答えてしまっているケースが多いものです。職場にも「いいよ、僕がやるよ」と自分で簡単に引き受けながら、あとから「何で俺がこんなことやらなければいけないんだ」と愚痴をこぼしているというタイプの人はいませんか。
また、NOと言えない人のなかには、「自分は決して嫌々YESと言っているわけではない」という人がいますが、実際には「単に嫌われたくないだけ」の自分を正当化しているに過ぎません。
研究では、「なかなか断れない性格の人は、そうでない人に比べて気分が落ち込みやすい」という結果があるそうです。「断る」ことによって、「自分は自分の意志をはっきり伝える人間だ」という自覚をもつのでしょう。そうすることで、常に前向きな気持ちになり「自分が今やっていることは、数々のNOから選別されて残ったものばかりだ」「やりたいことしかやっていないはず」という確信が持てるはずです。普段「なかなか断れない性格」だという人は、一度でも「断る」という体験をしてみましょう。