昔から「夢は宣言するとよい」と言われているが・・・

一般的に、夢は人に宣言した方がよいとされています。その理由としてあげられているのは、人に公言することにより、いわゆる「人の目効果」で後に引けなくなり、覚悟が決まるというものです。周囲の人が自分の目標や夢を把握しているため、サボれない心理になるという効果を狙ったものです。
周りが応援する様では夢とは言えない

しかし、自分が本当になりたいものがあれば、その夢は人には言ってはいけないとするのが最近の行動科学のスタンダードとなりつつあります。何故でしょうか。理由は簡単で、「周りが自分の足を引っ張るから」です。これを聞くと、ほとんどの人が「そんなはずはない」「応援してくれる」と、否定します。もし、周囲が応援してくれる夢であれば、それは「周りの期待」であったり、「現実的過ぎて夢でも何でもない」場合が多いのです。
善意で足を引っ張る人が現れる家族や恋人であることが多い

例えば、20歳のフリーターが親に「俺は、20年後、総理大臣になる」と宣言したとします。多くの親は大抵「何を寝ぼけたことを言っているんだ」「はいはい、その前に定職につけよ」と、まともに相手にしないはずです。逆に、「俺は正社員になる」と宣言したとします。すると今度は「頑張れ」と応援するはずです。
ここで注目したいのは、自分を取り巻く環境は「自分の考える許容範囲」でしか相手の可能性を測れないということです。医者になったことがない親が、子どもが「医者になりたい」と言っても「無理だろう」と決めつけるといった事例は、世の中には沢山あります。学校の先生ですら、「君の成績ではこの大学は無理だから、ランクを落としてこっちの大学を受験しなさい」と、本人の夢や願望を無視した進路指導を行っているのが現状です。このように、実は意外と「善意の人」が足を引っ張っているケースが非常に多いのです。本来、自分が「できるという可能性」は、他人の物差しでは計れないなずなのに、多くの人が、周囲に公言することによって、善意の親や恋人から「無理よ」「あなたにはこっちが合っているの」と、矯正されていますが、これは非常にもったいないことです。もし大きな野望を持っているなら秘密にしておくことをお勧めします。