印象的な紅茶の歴史
最近は人気刑事ドラマの小道具として印象的な紅茶ですが、それにはどんな歴史を辿ってきたのでしょうか?実は元の始まりは中国からで、イギリスには別の国を挟んで渡ってきました。その詳細を紐解いていきます。
紅茶は不老長寿の霊薬でした
元祖となる紅茶の樹は、紀元前中国の雲南省からチベット、ミャンマーまでの山岳地帯に元々生えていたと言われています。 元々そこでは不老長寿の霊薬として飲まれていたようで、飲み物として普及したのは6世紀になってからです。
それから16世紀になってからポルトガルへと輸入され、西洋の方がお茶を飲んだ元祖とされています。オランダ商船が初めて東方に向けて船を出発させた時期なので東洋には強く興味を示しており、香辛料や産物品など様々なものが輸入される中この紅茶の葉も渡ってきたようです。
イギリスに渡ったのはつい最近です
そしてイギリスに渡ってきたのが17世紀となります。その頃「万病に効くと言われている東洋の神秘の薬」として見られていましたが、イギリスの王のチャールズ2世に嫁いだポルトガルの王女のキャサリンが、インドの領地であったポンペイと共に、様々な贅沢品も持ち込んで来た中に貴重な砂糖もあり、それが宮廷の中での紅茶文化として広まったようです。
ちなみに紅茶自体もまだ貴重であったようで、その紅茶に砂糖を入れて飲む行為はキャサリンがイギリスに見せた政治目的でもあったようです。
このように紅茶と言うとイギリスの貴族が飲む優雅なイメージがありますが、意外と古くなくまた政治目的として使われていたというのも驚きです。そして17世紀の中盤に入ってイギリスの貴族達や文化人の集うコーヒーハウスで出されたのをきっかけに、一般の方にも多く広まるようになりました。
そして19世紀に日本に輸入されました
ちなみに日本に初めて紅茶が輸入されたのは19世紀です。その頃はわずか100kgのみでイギリスからの輸入です。紅茶を飲むのは上流社会の中でのステータスの一つとして見られていたようでした。
また紅茶の名前の由来は抽出される色から来ています。中国も「紅茶」と言いますが、英語では茶葉の色からブラックティーと呼ばれています。ちなみに紅茶の「茶」は広東語のCHA(チャ)から来ています。そして日本では現在、やはり日本茶の方が馴染んでおり消費量は日本茶と比べてかなり少なめです。ただそれでも紅茶は日本に馴染んでいる文化なのは間違いありません。