ピアスの穴から白い糸
ある人がある人に、ピアスの穴を開けてもらいました。無事にピアスの穴を開けることはできましたが、耳たぶから白い糸のようなものが出ています。何でしょう?引っぱってみました。かなり長いようです。スルリ、糸が抜けきったと同時に「やだあ!急に電気消さないでよ、真っ暗じゃん」
電気は消していません。糸を抜かれた人は失明してしまいました。耳たぶから出ていた白い糸は、視神経だったのです。誰もが一度は聞いたことのある都市伝説ですね。古い?と思いきや、この話はいまだに語り継がれています。
発展系のカオリさん伝説
「ピアスしてる?」急に背後から声をかけられました。振り向くとそこには、うつむいた髪の長い女の子がいます。していますけど何か?そう答えると、いきなり女の子が襲いかかってきました。両手で頭を押さられ、顔を動かせません。結局耳を食いちぎられてしまいました。
彼女の名前はカオリさんです。食いちぎった耳をくわえて、どこかへ逃げていってしまいました。このカオリさんこそが、前述した「ピアスの穴から白い糸が出て、それを引っぱり失明してしまった女の子」だったのです。
いつまでも色あせないまれにみる名作
発展系のカオリさん伝説は、主に渋谷近辺で一時期流行った都市伝説です。もとになっているピアスの穴から白い糸の話自体は、なんと80年代から語り継がれています。最近の中高校生も、リアルタイムで知っています。
これだけ長い年月、そして発展系まで生み出すなんて、まれにみる都市伝説の名作といえるでしょう。「軽い気持ちでやったことが、取り返しのつかない惨事につながる」というストーリー構成が、なんとも見事だからです。
ところで実際には?
興醒めでしたら申し訳ありませんが、本当のところ耳から白い糸は出るのかどうか調べてみました。厳密にいえば糸状のものは出ることがあります。ただし視神経ではなく、皮膚の老廃物や脂肪などが、たまたま糸状になっているだけ。もちろん、失明するなんてありえません。
だからといって、この都市伝説の魅力は変わりません。糸が出ていると、つい引っぱってしまう心理。どうしても途中でやめられず、最後まで引っぱってしまう興奮。何度聞いてもドキドキする名作です。