三月のライオン/羽海野チカ
将棋漫画好きな方にオススメです。書店の少女漫画コーナーに積まれていることが多いので男性の方になかなか目につかない作品だと思いますが、だからこそ紹介したい、そんな本です。将棋界についても詳しく書いてくれているので将棋に詳しくなくても楽しんで読むことができます。主人公だけではなく、登場人物ひとりひとりの心情を丁寧に描いているので感情移入しやすいです。仕事でストレスが溜まったと感じた時に読むと心がすっきりします。
ふれなばおちん/小田ゆうあ
社宅に住み小中学生の子どもが二人いる主婦が、隣の家に越してきた男性と恋に落ちる話です。この主婦は、まさに「母ちゃん」といった母親で女を捨て、子育てや家事に全てをささげた母としては理想の母ですが、夫や年頃の娘はそんな母ちゃんに呆れみっともないとさえ思っています。そもそもそんな妻に嫌気がさした夫が、若くモテる同僚に妻をすこしそそのかしてくれと提案します。夫は妻をみくびっているため、まさか二人が本気になるとは露知らず。妻はほかの男性と恋に落ちていくうちに、女性らしさを取り戻していきます。女性向けの漫画ですが、家庭をもつ男性に見て欲しい漫画です。女は女として愛されることでこんなに女らしくなるのです。
夕凪の街 桜の国/こうの史代
棚に置かれてある漫画、少なくともすぐに男性が手に取るような表紙の絵ではありません。作者も女性で、絵もやわらかい暖かい色合いを想像させるタッチで描かれています。広島市出身の作者が、広島生まれである縁を漫画にできないかと思いこの漫画ができました。原爆が投下された街。直接的な無残なシーンはないものの、そこに暮らす人々の心の中にはその時の情景がずっつ刻まれていて、読み手は登場人物の心の動きを通して、その残虐さを感じます。他の作品に「この世界の片隅に」があります。
ハチミツとクローバー/羽海野チカ
美術大学が舞台となる大学生の甘酸っぱい恋愛のお話です。ですので二十歳の頃を思い出したい時に読むのがお勧めです。つまらない大人になっていませんか?学生の頃目指していた大人になっていますか?と問いかけられるような作品になっています。毎日がつまらない。日々の淡々とした暮らしをしている人に対して、夢も希望もあり挫折もありながら現実を知っていく竹本君に自分を重ねて読んでもらうのがお勧めです。きっと恥ずかしかった自分を思い出しながらそのころの自分に、「今がんばってるよ」と伝えることができると思います。