映画は人生に行き詰ったときにヒントを与えてくれる
「自分はいったい何のために働いているんだろう」「自分が本当にやりたかったことって何だっけ?」などと、人生に行き詰ったとき、映画は何かしらのヒントを与えてくれるはずです。ここでは、少しだけ生きる勇気が湧いてくる、そんな映画を紹介します。
ブラック・スワン
ニューヨークで、元ダンサーの母に愛されながら、人生のすべてをバレエに捧げた女性ニナの物語です。 「白鳥の湖」のプリマを演じるチャンスに恵まれますが、そのためには「純真な白鳥の女王」と「邪悪で官能的な黒鳥」という相反する2つの役を演じるという難題を越えなければいけません。ライバルの出現に追いつめられていく苦悩を描いています。また、ニナがバレリーナとしてプレッシャーを克服していく過程で「抑圧してきた性の目覚め」や「才能の開花」なども垣間見られます。努力の過程の苦しみと、その結果の栄光と引き換えに失うものを描いている。人間の心と精神の脆さ。危うさ。
ライフ・イズ・ビューティフル
1997年公開、イタリアの天才「ロバルト・ベニーニ」が監督と脚本、主演までを担当しています。内容としては、「ナチスの強制収容所に収容されながらも人間らしさを失わず希望を持ち続ける」「そして絶望を乗り越える」といった、ある男の姿を追ったストーリーで、純粋な感動作品です。第2次大戦中のナチス強制収容所という、非常に重くて暗いテーマでありながら、「収容所にとらわれながらも我が子を守ろうとする」家族愛に溢れた内容に仕上がっています。冒頭からのコメディタッチから一変して、急に家族を襲う悲劇を、陰惨になりがちな戦争映画を、感動映画へと昇華させている点がこの映画の凄いところです。タイトル通り、「ライフイズビューティフル」と思わせてくれる作品です。実は、サスペンス的要素が強い作品で、人間の成長といったありきたりなテーマに程よいスパイスを加えています。
英国王のスピーチ
吃音に悩む英国王「ジョージ6世」が第二次世界大戦前夜、兄の退位に伴い王位に即位することになり、生い立ちの不幸からくる吃音に悩み、吃音治療を経て最終的には立派にスピーチをするといった内容ですが、人間がコンプレックスを克服する感動を味わえます。イギリスのロイヤルな雰囲気が見ていて優雅な気分にさせられますが、やや淡々としているため、メリハリが欲しいと感じるかもしれませんが、それでもラストまで飽きさせないのはさすがです。