年齢とともにやってくる「物忘れ」

年とともに、「最近も忘れが多い」「あの人の名前、なんだっけ?」と、記憶力の低下を気のする様になります。単なる物忘れでも、年齢が年齢なだけに「ひょっとして認知症なのか?」「若年性健忘症?」と疑い始める人も多いようです。
しかし、物忘れには、「認知症」などの病気によるものと、単なる「加齢による物忘れ」とで原因や対策方法が異なります。単に、「人や物の名前を忘れる」「日常生活には支障がない」というレベルでは、認知症の可能性は低く、単に加齢による記憶力低下が考えられます。
記憶力は2種類ある

家の住所や生年月日などをずっと覚えている「長期記憶」に対して、予約したいお店に電話をかける際、電話番号を一時的に記憶するのが「短期記憶」で、最近ではワーキングメモリとも呼ばれています。加齢とともにやってくる物忘れは、このワーキングメモリの容量が小さくなっていることが原因と考えられます。
映画を観て感動する

小説や映画(DVDでも構いません)を見て感動体験をすれば、その臨場感から脳内で分泌されるドーパミンによって短期記憶領域を刺激します。単に映画や小説の内容を覚えているという意味ではなく、感動的な体験が、人間の記憶力をUPさせるというものです。
大豆を食べる

実は、大豆には脳を活性化させる働きがある食べ物として知られています。大豆に含まれるチロシンという栄養素が、ドーパミンに代表される神経伝達物質の分泌を高める効果のあるのです。
運動をする

ジョギングが老化防止に良いとされるのは、単に筋力アップや肺活量のアップが期待できるからという意味ではありません。脳と体の運動は密接に関係しており、運動をすることで脳への血行がよくなるのです。血行が良くなれば脳は活性化します。運動は脳にも体にも、しいてはメンタルにも良い影響を与えるための、最も効果的で手軽にできるエクササイズなのです。目安としては、会話をしながら走れる程度のペースがよいでしょう。
人と会話する

人と会話は、物忘れを防止させるために最も有効な手段の一つです。会話の中には、自分のことや出来事を話す「説明」に加え、相手からの質問に対して答える「回答」など、思考を伴う作業が満載です。もちろん、会話そのものが思考と言っても過言ではありません。